R


或る旅人の日記』でお馴染み、加藤久仁生監督の
新作アニメーションの音楽をまたやらせてもらいました。
タイトルは『R』。
http://aumall.jp/grandopen_cp/au_tsuchiyaanna_edwin.html


au×土屋アンナ×EDWINという組み合わせで、
えーつまり、これらの企業のキャンペーンの一環として
作られたショートアニメーションなんですが、
また加藤ワールド全開ですよ。
音楽は『或る旅人〜』と違って
ちょっとだけノリのいいものになってます。


auの動画が見られる携帯電話で無料配信ってことらしいです。
自分もauだけど動画見られない機種なので、
まだ完成したやつは見てません。
で、今日から前編が公開されているみたい。
(後編は23日から29日まで。)


DVD(非売品)にしてプレゼントなんてこともやるようなので、
是非アクセスしてゲットしてみて下さい。


あと、感想とか聞かせて下さい。
携帯だとやっぱりベースとかバスクラとかバリサクとか
聴こえないんだろうなあ。

押入れの奥のリコーダー講座 第2回と本番


初回の講座から2週間あいての2回目。
大人な皆さんのこと、予習復習もできるだろうと、
その間を利用してネット上にオリジナル課題曲の音源
(カラオケやマイナスワン含む)をさりげなくアップしておいた。
それが功を奏し、参加者40人のほとんどが自分が演奏するパートを
予習復習していて随分と曲にも馴染んでくれている様子ではあったけれど、
一応、1回目であたっていなかった間奏パートなどを
30分以上かけて栗原くんに丁寧に指導してもらった。


で、細かい音程のことや現場での変更などあれやこれやして
1曲目を通して演奏。
おー、いい感じ。
リコーダーを大勢で吹くと学童感は容易に出るんだけど、
こう、大人の憂いみたいなものもほどよく出た気がする。


と、時計を見ると1時間半も経っている。
いかん。


関島さんは教員免許を持っているだけあって教え方が上手い。
雑談、余興など脱線した話を交えつつも、
ちゃんとそこで話した内容が後の「アメイジング・グレイス」の
アレンジへ全ていかされていくという完璧な台本が出来ていた。


その一端をうろ覚えながらここで紹介すると、
「じゃ皆さんが知っているあのコマーシャルソングのメロディを
ちょっと吹いてみましょうか?」
「○。○○○○〜○」
「あ、いいですね。皆さん吹けますね。」
「ニヤリ」
「じゃ、次に〜」
……中略……
「〜ここで何かオブリガートがほしくなりますよね。」
「誰でも簡単に吹けるようなフレーズ…」
「そうだ、さっきのあのフレーズをここに持ってきてみましょう。」
ってな感じだ。
実際に「ニヤリ」と発音していたので、
雑談していたように見せかけて本当にあれは脚本通りだったのだろう。
上手すぎる。
それを残り少ない時間で駆け足でやってもらったのは非常に悪かった。


アレンジものとして今回とりあげた「アメイジング・グレイス」は、
曲が現場でアレンジされ徐々に肉付けされていく様、
言わば生きた音楽の自由度、柔軟性みたいなものを見て聴いて感じてもらう、
一種のエンタテインメントだったわけですね。
もちろんシンプルに曲を楽しむという目的はありつつ。
常々「ワークショップ」という言葉の意味についてミーティングを
重ねている栗コーダー
今回の「アメイジング・グレイス」のように
実際の現場、仕事場での様子を疑似体験してもらうようなこの企画は、
ただ演奏を習得するだけの講座に比べ、
随分、言葉的にも真意に近いものではないかと思った。
どちらかというと純粋に曲の和声、完成度を追求したオリジナル曲と合わせ、
例えるなら、市場から調理場まで、
いろんな職人の技をかいま見てもらうことが出来たなら
「ワークショップ」はひとまず成功と言えるんじゃないだろうか。


さて、その5日後、本番。
栗コーダーカルテットのライブ。
休憩を挟んだ第2部の冒頭で
ワークショップ受講生を交えた演奏を行った。
1曲目「押入れの奥の宝物」
2曲目「アメイジング・グレイス
すごく緊張した人もいただろうし、
思ったより緊張しなかった人も多かったようだが、
どちらにせよ2曲なのであっという間に終わってしまった、
という印象ではないだろうか。

惜しむらくは、2曲の曲調がちょっと似てしまったのはもったいなかった。
1曲はもうちょっとテンポ感のある曲にしてもよかったかもしれない。
もちろんワールドスタンダードな「アメイジング・グレイス」に比べれば
自作した曲はこぢんまりしたものだけれど、キー、スケール、テンポ感、
いろんなものが似ている。
あやうく拍子まで間違えて3拍子でやりそうになった、はい、自分です。


最後のあいさつで「ドイツ語の“学ぶ”と“教える”はほとんど同じ言葉だ。
実際ドイツの方言では“学ぶ者”とは“教師”のことだ。」
というバーンスタインの言葉を紹介したが、
本当にいざ教える立場になると自分自身が学ぶことも多い。
(実際ギター教室を始めてから随分ギターが上手くなった気がする自分。)


それと、こういう機会、不慣れな旅先のような環境下では、
栗コーダーメンバー間の考え方の違いも浮き彫りになる。
いろんな側面で反面教師のように自分のことを振り返ったりもした。


そこで気付いたことのひとつは、
やはり自分は極端にメロディに固執しているということ。
音楽という枠の中でもかなりそうだし、
日々の生活の中でも、相当に
メロディやハーモニーというものを信仰している気がする。
逆に言えばそれ以外のものをほとんど信じていない。
ハイポジのしんりんちゃんの歌詞に
「歌だけが残る」というフレーズがあるけれど、
自分も卒業生だからってわけじゃないけれど、
本当に深くそう思う。
(これについてはまた改めて。)


だから、今回のワークショップでも「歌」以外の部分
にはまったく無頓着で無愛想な自分を発見した、
というわけなのでした。


勉強になりました。
次の機会があればまたよろしくです。

押入れの奥のリコーダー講座


栗コーダーカルテットで笛のワークショップ。
グリーンホール相模大野にて。
http://www.hall-net.or.jp/schejule/kouen/2006/green/Gt0310.html


昨年、水戸で行ったワークショップは、
学校で笛を習い始める前の小学1,2年生とその親を対象に、
「はじめのリコーダー」と題し、
言わば子供向けのプログラムだったわけだけど
(1年ほど前の日記に当時のメモがあります)、
今回、再びワークショップをやるにあたり、まず最初に考えたことは、
「じゃ今度は大人を対象にやってみよう。」ということ。


ただそこで問題がひとつ。
古楽などに傾倒した本格的な演奏家の人達が間違って受講しに来たら困る。
とても困る。
栗コーダーのメンバーは決して笛の専門家ではないので、
バンドとその音を知っている人であればそういう間違いはしないだろうけど、
リコーダーのワークショップという部分だけで申し込まれると、
それこそ、アイフルのCMみたいなことが起きかねない。


「押入れの奥のリコーダー講座」というネーミングを考えついた時、
「これならいけそうだ。」と思った。
大人が対象であることと専門家が対象でないことが両方言い表せた。


さて、内容に関して。
前回から引き続き根底にある主旨としは、
「笛をうまく演奏できるようになる」というよりも、
「笛を通じて音楽の楽しさに触れてもらう」みたいな部分。
栗コーダーがやるワークショップとしてはこれも必然的な流れだろう。
プレイヤー指向の人はそれこそプロの演奏家のワークショップを受ければいいわけで。


具体的な内容。
「はじめのリコーダー」では、左手だけを使い、
「ラシ」の2音だけで出来る曲、
「ソラシ」の3音だけで出来る曲、の2曲を作り、
パネルを見ながらコブラ(注1)風なことをやる即興演奏含め
3曲をコンサートで演奏するというものだった。


今回は一度は笛を吹いたことがある大人が対象ということで、
もう少し踏み込んでみたい。


ただここで問題がもう1つ。
受講生が持参するリコーダーにはジャーマン式とバロック式(注2)が混在
しているので、同じ「ドレミファソラシド」を吹くにも指使いが違ってくる。
これは教える側にとっては大変やっかいな問題だ。
どげんしよか?
そこで指使いが最も大きく違うところの「ファ」の音を使わない曲をやる
という方針を先ず立てた。
さらにペンタトニックスケール(注3)という枠を設けるのはどうかという案も。
「ソラシレミ」のGペンタトニックなら「ファ」も出てこないし、
ソプラノリコーダーでちょうど吹きやすいレンジでもある。
ペンタトニックで出来た曲は世の中にたくさんあるし
(人に聞いた話だが、ペンタトニックで作られた曲が
必ずグラミー賞にノミネートされているという説さえ)、
メンバーの関島さん曲にも多いような気がする。
実際ペンタトニックという案を出したのは関島さんだし、
昨年関島さんが「ラシ」だけで作った「はじめてのたこあげ」も
ペンタトニックから3音そぎ落として作った曲じゃないかと推測される。


ただ自分の曲にはペンタトニックの曲は少ない。
昨年作った「ぼくらのソラシ」はある意味ペンタトニック内に
収まってはいるが、それは3音でというのが先ずあってのこと。
ペンタトニックっぽい曲はあっても、
基本的に普段まったく意識して作っていないので、
曲のどこかにハ長調で言うところのファやシ(4,7度)が自然と出て、
ペンタトニックスケールから外れてしまう。


じゃ、この機会にペンタトニックだけで1曲作ってみよう。
そうして作ったのが今回の課題曲にもした「押入れの奥の宝物」という曲。


受講者のリスト(220名応募中の40名だそうだ)を眺めつつ、
音域をどこまで広げるか検討しつつ、
結局2オクターブ目の「ミ」まで踏み込んでみて「レミソラシレミ」で作った。


ペンタトニックだと曲作りのとっかかりがいい分、
スケールが醸し出す東洋的な雰囲気にすぐ飲み込まれそうになるので、
なかなかオリジナリティを出すのが難しいのだけど、
コードの付け方などをそれなりに工夫して
(16小節中半分がノンダイアトニックコード(注4))
そこそこ自分らしい曲になったのではないかと思っている。


おかげでハモりを付けたアルトリコーダーのパートには
ペンタトニックスケール外、ダイヤトニックスケール(注5)外の音
もいくつか出てきて、ほどよい難易度になった。
アルトリコーダーを持参してくる人はソプラノの人よりも
多少は腕があるのではないかという読みがあったので、
このことは結果オーライでちょうどよいのではないかと思っている。


あ、曲作りの話になってるな。


それと、もう1曲、
やはりペンタトニックで出来たチョ〜有名なスタンダードナンバー。
今回はレッスンできるのが2日間、全部で4時間なので、3回目の本番、
ステージ上で栗コーダーと一緒に演奏してもらうのはこの2曲になりそうだ。
ただ1回目を終え、とてもいい手応えだったので、
ひょっとしたら何かプラスαあるかも。


今回の参加者、下が22歳、上が68歳。平均年齢38歳だそうだ。
自分のおふくろと同じ年齢の人と一緒に音楽をやるなんて、なんだか不思議な気分だ。


祝、よかろうもん。


(注1〜5:検索してみて下さい。)

久しぶりに歌モノのアレンジ


去年の今頃は金管のアレンジに勤しんでいたが、
今回は木管をフィーチャーしてみた。
フルートでトゥルリララ〜、
ファゴットでポッポポーってね。
1曲は曲が3連系のハネものポップスだったので、
あれです「ドリフタ〜 イン ミ〜」の世界ですよ。
もちろん、この手のものにはかかせない
グロッケンやチューブラベル(サンプル)、
ハープ(サンプル)も入れて曲を彩ってみた。


ん、こんな書き方をすると、
なんか小手先で簡単に仕事してるように見えるかもだけど、
そんなことないですよ。けっして器用じゃないので、
これでも一生懸命ヘロヘロになりながら譜面書いただす。
(とりあえず期間中は24時間そのことばかりを考え、
あたかも恋愛の対象のごとくその仕事に夢中になるので、
いつも家族や周辺の人には迷惑をかけてます。)


やっぱ歌モノは楽しいな。
どんなにディテールにこだわったアレンジをしても、
結局、歌に全部持っていかれるわけで、
それがまたアレンジャーという分業された音楽の
はかない立場を際だたせて、嫌いじゃないです。
「プロデュース」となると、人によっては
歌い手の精神性にまで踏み込んで
「デモの方がよかったから、あれを採用」
なんてことを言えてしまうプロデューサーまでいるわけだけど、
自分も大人になったのか、今回のような、
作者がいて、歌い手がいて、アレンジャーがいて、
エンジニアがいて、プロデューサーがいて、
クライアントがいて、みたいな共同作業も、
いつの間にか客観視しながらその立体作品を楽しめるようになっていた。
ま、ケースバイケースだろうけど。


それでその持っていく歌を歌ったのは
さねよしいさ子伊藤真澄の両アーティストでありました。
ご存じのように二人ともチョ〜個性的な歌を歌います。
ただその歌唱力以前にやはり自作曲であるという
揺るぎない力強さがあって、その芯がある以上、
アレンジはたいがいのことはOKになる、というのは極論だけど、
やりやすさは格段にアイドルとは違う。
アイドルの録音やったことないけど。


真澄さん曲には急遽追加でストリングス(4,4,0,0)をダビング。
これも楽しかった。
リズム隊にしても木管にしても弦にしても
自分がパソコンでシミュレートして譜面にしたものが
生に置き換わる瞬間はほんと音楽家冥利に尽きる至福の瞬間だ。
ギャラもらってこんな贅沢を味わえるわけだからなあ。
自分の編曲力不足でイメージした音にならない部分もたくさんあるけど、
やはり打ち込みだけでは表現できない生の息遣いはいいですね。
やっぱ、いつでも生でやりたいっスね!
打ち込みも同じくらい好きだけど。


真澄さんのブログでオレのことが褒めてあったのでアドレス貼っておきます。
http://blog.livedoor.jp/masumi_ito/archives/50368645.html

栗コーダーのクリスマス


の季節がやってきた。
毎年、恒例になってはや何年になるのだろう?


今年は一昨年に続き自分の個人的リクエストもあって
田中亜矢ちゃんに再びゲストに来てもらえることになった。
やったー。
前にもどこかで書いたかもだけど、
亜矢ちゃんの歌は妙な自我みたいなものがほとんど感じられず、
まるで歳暮、あ、違う、
聖母マリアが歌っているかのような神々しさで、
非常によいのです。
シルキーな歌声はトラディショナルな香りもプンプンで、
栗コーダーがもうちょい上手い具合に演奏できた日には、
サンディ・デニーとフェアポートコンベンション
はたまた、
シャーリー・コリンズとアルビオン・バンド
みたいな関係になれるんじゃないかと、
ひとり夢想する日々だ。


そんなわけで一緒にやりたい曲がたくさんありすぎて
選曲に困っている最中なのだけど、もしライブの半分くらいが
ゲストコーナーになって歌モノになっても誰も文句は言わないよね?
バッキングに廻った栗コーダーはなかなかなもんだし。


ほんとに毎年恒例になっているゲスト、
駒沢さん(駒沢裕城)のペダルスティールギターも涙なくしては聴けません。
オレ毎年演奏しながら泣いてるもんな。マジで。
今年も泣いちゃうんだろうか。
やだなー。


って、わけで皆さん、お見逃し泣く。
詳細↓
http://www.bloc.jp/aakk/data/1133434875

師走


都内某所のMAスタジオのロビーから、
作業の待ち時間を利用して書き込み中。

はてなダイアリーはこういう時に便利だな。
パソコンさえあればどこからでも書き込める。

ただやっぱりすごくプライベートなことになると
ちょっと書きづらい。
見ず知らずの人に読まれるかもしれないから。
…って、ネットだからあたりまえなんだけど、
同じ公の場でも自分でHTMLを書いていた日記の方が
独白しやすかった。
それこそ日記をつけるような気分でいろんな愚痴も書けた。

来年はどうしようかな?


ま、そんなことはともかく、もう師走か。
早いな月日が経つのは。


1週間前に急に飛び込んできた映像用の音楽の仕事が
今日のMAで怒濤の中、終わろうとしている。

これを過ぎれば師走というのにちょっと暇になる。

なので、クリスマスソングを聴きまくり、弾きまくり、
作りまくり、でもするか。

1年のうち今しかクリスマスソングは取り扱えないからな。


あ、そうそう、5日の夕方から夜くらいに
FM横浜の番組に出ます。栗コーダーで。番組名、失念中。


その他、クリスマスライブなどのスケジュールもblocにアップしました。
http://www.bloc.jp/aakk/


というわけで待ち時間を有効に消化中。