久しぶりに歌モノのアレンジ


去年の今頃は金管のアレンジに勤しんでいたが、
今回は木管をフィーチャーしてみた。
フルートでトゥルリララ〜、
ファゴットでポッポポーってね。
1曲は曲が3連系のハネものポップスだったので、
あれです「ドリフタ〜 イン ミ〜」の世界ですよ。
もちろん、この手のものにはかかせない
グロッケンやチューブラベル(サンプル)、
ハープ(サンプル)も入れて曲を彩ってみた。


ん、こんな書き方をすると、
なんか小手先で簡単に仕事してるように見えるかもだけど、
そんなことないですよ。けっして器用じゃないので、
これでも一生懸命ヘロヘロになりながら譜面書いただす。
(とりあえず期間中は24時間そのことばかりを考え、
あたかも恋愛の対象のごとくその仕事に夢中になるので、
いつも家族や周辺の人には迷惑をかけてます。)


やっぱ歌モノは楽しいな。
どんなにディテールにこだわったアレンジをしても、
結局、歌に全部持っていかれるわけで、
それがまたアレンジャーという分業された音楽の
はかない立場を際だたせて、嫌いじゃないです。
「プロデュース」となると、人によっては
歌い手の精神性にまで踏み込んで
「デモの方がよかったから、あれを採用」
なんてことを言えてしまうプロデューサーまでいるわけだけど、
自分も大人になったのか、今回のような、
作者がいて、歌い手がいて、アレンジャーがいて、
エンジニアがいて、プロデューサーがいて、
クライアントがいて、みたいな共同作業も、
いつの間にか客観視しながらその立体作品を楽しめるようになっていた。
ま、ケースバイケースだろうけど。


それでその持っていく歌を歌ったのは
さねよしいさ子伊藤真澄の両アーティストでありました。
ご存じのように二人ともチョ〜個性的な歌を歌います。
ただその歌唱力以前にやはり自作曲であるという
揺るぎない力強さがあって、その芯がある以上、
アレンジはたいがいのことはOKになる、というのは極論だけど、
やりやすさは格段にアイドルとは違う。
アイドルの録音やったことないけど。


真澄さん曲には急遽追加でストリングス(4,4,0,0)をダビング。
これも楽しかった。
リズム隊にしても木管にしても弦にしても
自分がパソコンでシミュレートして譜面にしたものが
生に置き換わる瞬間はほんと音楽家冥利に尽きる至福の瞬間だ。
ギャラもらってこんな贅沢を味わえるわけだからなあ。
自分の編曲力不足でイメージした音にならない部分もたくさんあるけど、
やはり打ち込みだけでは表現できない生の息遣いはいいですね。
やっぱ、いつでも生でやりたいっスね!
打ち込みも同じくらい好きだけど。


真澄さんのブログでオレのことが褒めてあったのでアドレス貼っておきます。
http://blog.livedoor.jp/masumi_ito/archives/50368645.html